Q 日本の年金への課税は日本又は居住地のどちらでされるのでしょうか?
日本での税金は年金支出額から規定控除額を差し引いた金額が課税対象となり、所定の所得税が課税されます。市町村役場に海外転出届を提出し租税条約締結国に住む人の場合は、日本での年金への所得税は免除され、滞在国の税法にて現地で課税されます。
日米租税条約に基づく場合、厚生年金、国民年金の年金支給額は源泉地国(日本)では非課税となり、年金受給者の居住地(米国)でのみ課税されます。
Q 日本における所得税の免除はどうすればよいのでしょうか?
日本における所得税の免除を受け二重課税を避けるためには、「租税条約に関する届出書」、「特典条項に関する付表」及び「居住者証明」の3点の提出が必要となります。届出書の提出は最初の年金受給手続きの時と受給開始後3年ごとに提出する必要があります。
なお、3年ごとに日本年金機構から自動的に届出書等の提出書類と案内が送られてきます。
「居住者証明書」は米国の場合IRSから発行される「納税申告証明書(Certification of Filing Tax Return)」(フォーム6166)を意味します。
Q 租税条約に関する届出を忘れた場合どうなるのでしょうか?
この届出書の提出が無いと日本で所得税が源泉徴収されることになってしまいます。但し、年金支給の際、所得税の源泉対象とならない年金額は65歳未満では年額60万円以下、65歳以上では年額114万円未満の場合です。源泉対象とならない年金額の場合には、租税条約に関する一連の書類を提出する必要はありません。その代わりに、「租税条約に関する申立書」を提出して下さい。ただし、「租税条約の届出書」を提出してないと、その後、年金受給額が増加して源泉対象額となってしまうと、課税されるケースがありますのでご注意ください。