厚生年金・国民年金についての共通Q&Aです。
海外在住の方は、加入期間が短くても多くの方が日本の年金を受給することが出来ます。具体的には「国別情報」(米国)のQ-1、Q-2をご参照ください。
Q-1 年金は何歳から受給できますか?
支給開始は厚生年金は生年月日により異なりますが、早い方で60歳(徐々に65歳支給になります)、国民年金は一律65歳からです。ただし、希望すれば厚生年金(定額部分)および国民年金とも、60歳を過ぎると何歳からでも受給できますし(繰上げ請求)、66歳以降70歳になるまで受給を遅らせることもできます(繰下げ請求)。
Q-2 何年かけたら年金を受給できますか?
2017年8月1日より日本の年金を受給するために必要な加入期間が25年から10年に短縮されました。厚生年金、国民年金、共済年金の加入期間を合計して10年あれば、受給資格を満たします。
ただし、遺族年金、障害年金の受給資格の内厚生年金の受給権者又は厚生年金の受給資格期間を満たした方の加入期間は旧来の25年となりますのでご注意ください。
なお、実際の加入期間が10年といった受給に必要な加入年数以下でも、海外にお住まいの方は海外居住期間を「合算対象期間・通称:カラ期間」として受給資格の算定上合算(年金額には反映されません)することが出来ますので、受給資格が発生することがあります。例えば日本で5年の年金加入期間がある方が、その後海外で5年以上暮らすと合算期間が10年となり、年金受給対象者となることができます。
「カラ期間」とは、1961年(昭和36年)4月以降60歳までに海外に日本国籍で在住していた期間(ただし、その間、公的年金の保険料を支払っていた期間は除きます)です。
カラ期間に加えて、日本と社会保障制度の二国間協定を結んでいる米国、ドイツ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストリア、オランダ等にお住まいの方は「居住国の年金加入期間」を受給資格の算定上合算(年金額には反映されません)することが出来ますので、受給資格が発生することがあります。例えば米国で勤務中、米国年金に5年加入していれば、上記の例で日本の年金加入期間5年と合算して10年となり日本の年金受給資格を得ることができます。
Q-3 海外にいても国民年金に加入できますか?
日本国籍をもつ方が、長期間海外に住むような場合でも、将来年金が受けられるよう20歳以上65歳未満の間は、国民年金に任意で加入することができます。また、昭和40年4月1日以前に生まれた方については、70歳までの間に年金を受けられる加入期間を満たすまで、特例的に任意で加入することができます。
Q-4 国民年金の任意加入の手続の窓口は?
現在、海外に居住されている方は、日本国内における最後の住所地を管轄する年金事務所が窓口です。ご本人が日本国内に住所を有したことがない場合は、千代田年金事務所が窓口です。保険料の納付方法は、国内にいる親族等の協力者がご本人のかわりに納付する方法と、日本国内に開設している預貯金口座から口座引落しする方法があります。
Q-5 国民年金の年金額はどれくらいでしょうか?
昭和16年4月2日以降お生まれの方で、65歳支給開始の場合年金額の算出式は 平成22年度年金額792,100円(満額)×保険料納付月数÷480(40年間相当の月数)です(平成22年度の場合)。
Q-6 年金の受給資格が発生すると各人に通知はあるのでしょうか?
日本に在住で、年金の受給権が発生する方には、60歳に到達する3か月前に年金業務センターから「年金に関するお知らせ(はがき)」または、「裁定請求書(事前送付用)」が送付されて来ます。しかし、海外在住の方には、年金業務センターでは日本国外に居住している方の住所地を管理していないことから発送されません。ただし、国民年金に加入している方で、手続きの際「協力者」を指名された方には日本国内の協力者の住所に各種案内が届きます。厚生年金に加入の方は、海外に転出される時、年金事務所に国内の連絡先の住所変更届けを出しておけば、その住所に「お知らせ」が届きます。
Q-7年金の受給手続は何歳からどのようにすればよいのですか?
年金は、年金を受ける資格ができたとき自動的に支給が始まるものではありません。ご自身で年金を受けるための手続を行う必要があります。国民年金の受給手続申請は65歳の誕生日からできます。
手続先は市区町村役場の国民年金の窓口です。ただし、第3号被保険者期間(サラリーマン家庭の専業主婦)やカラ期間のある方や、国民年金と厚生年金に加入した方は年金事務所となります。厚生年金は60歳から年金事務所で申請手続ができます。
Q-8 年金は海外で受給することはできるのでしょうか?
年金の受給は海外、日本のいずれも可能です。年金の振込先口座は海外の銀行でも、日本の銀行でも希望する口座に振り込むことができます。(郵便局への振込はできません)ただし例えば米国の銀行口座に振り込む場合は銀行のハンドリング・チャージ(1件当たり15ドル前後)が掛かります。
Q-9「カラ期間」を証明するために、総領事館で在留証明の発行はできますか?
過去の住所の証明として在留証明を発行することは可能です。その場合は、そこに住んでいた期間と住所を証明する米国公共機関の発行する文書(居住者証明書、外国人身分証明書、運転免許証,納税証明書、家屋の賃貸借契約書、電気・水道等公共料金の請求書等の組み合わせ)の原本が必要となります。(年金手続きのための在留証明は無料です)
外国に帰化した元日本人の方には在留証明は発行できませんが、それに代わる「居住証明」の申請ができますが有料となります。
また、それに代えて米国の場合ですと最寄のNotary Public(公証人)で宣誓口述書(Affidavit)等に認証を受けていただく方法もあります。
Q-10 日本で短期間年金に加入したのですが、脱退一時金の請求は出来るのでしょうか?
日本国籍を有しない方が、国民年金、厚生年金に加入し、年金の受給権を得ないまま帰国した場合、2年以内に限り脱退一時金を請求することができます。